この事業では、子ども達が 社会人になったあともUターンなどで浦幌町に戻ってくることのできる受け皿となる事業の創出や、将来町内で起業・創業などを実現できる環境づくりを目的としています。
「地域への愛着を育む事業」「農村つながり体験事業」「子どもの想い実現事業」という3つのプロジェクトを進めてきた結果、子ども達は自らが育った町に対して魅力を感じるようになり、自分たちもいつか地域に貢献したいという意識が生まれるようになりました。しかし、他の地方都市同様、浦幌町も高齢化や過疎化、そして少ない雇用機会といった課題を抱えています。このような社会課題に立ち向かうべく、町に愛着を持ち定住意識を抱く若者に向けた、より多くの雇用機会の創出が求められています。
そこで、うらほろスタイルでは新たな取り組みとして、平成25年度に「若者の雇用創造事業検討委員会」を組織しました。同委員会では、町内にある地域資源の可能性・潜在能力の統括的な整理、町民の声の参集、これらの声を踏まえた浦幌の優位性・課題の分析を行い、若者にとって魅力のある雇用機会(事業モデル)の創造について検討しています。
「若者の雇用創造検討委員会」で生みだされた事業プランに基づき、町外出身の地域おこし協力隊が起業にチャレンジしました。その結果、令和元年度までに3つの新会社が設立されました。
また、自ら新事業を生み出すことができる若者の育成も「高校生つながり発展事業」の中で、目指し始めています。
さらに平成29年度には、都市部の企業人との新たな協働「うらほろワークキャンプ2017」を実施し、それをきっかけに新会社や新事業が多数生み出されています。
「若者の雇用創造検討委員会」で生みだされた事業プランを令和元年度をもってクリアしたことから、うらほろスタイルの活動としては、「仕事づくりの役割」を一区切りさせました。以後その役割は「十勝うらほろ創生キャンプ事業」という町の新たな事業へと引き継がれ、都市部の企業人との協働によるチャレンジも加速しています。
自分たちが住んでいる浦幌の魅力をうらほろスタイルの事業を進めていく中で、新たに出てきた課題を解決するために、第一次産業を基幹とする浦幌町の特性を活かしつつ「ハマナスの商品開発」や「まちなか農園プロジェクト」の推進を図っています。
町内にある廃校等の遊休施設の活用や、地域滞在型研修を実施することにより、魅力的な地域産業の創出モデルを構築し、都市部企業の誘致や、浦幌町内での起業・創業に向けた環境を作っています。
浦幌町で起業・創業を目指す人材に対し町の研修制度(地域おこし協力隊として)を活用したスキル向上・資格取得。また、地元企業団体及び首都圏企業人による起業支援・職業体験を図り人材育成する取り組みを行っています。
うらほろスタイルの教育が始まって10年以上。小・中学校での取り組みに加え、高校生も自主的な活動を始めてきました。
取り組み当初中学生だった子ども達はすでに成人を迎えています。夢を託していた子ども達が、自らの想いを自らの手によって実現できる段階に入ってきたのです。
「若者のしごと創造事業」はそのような「成長したうらスタ世代」の自立を支える大切な取り組みだと考えています。
これからは子ども達だけでなく私達も「想いを受け止める立場」から一歩前へと進み、大人になっていく子ども達と共に協力し合いながら、うらほろスタイルの取り組みを次世代からさらに次の世代へとつないでいき、いつまでも夢と活力を抱き続けることのできるまちづくりを進めていきたいと思います。
若者のしごと創造事業 座長 北村 昌俊
中学生の声から生まれた、ハマナスを栽培するまちなか農園は、夏場になると大きな花を咲かせ、甘く優しい香りを漂わせます。
地域の多くの方の力が合わさり、そのハマナスから化粧品ブランド「rosa rugosa – ロサ・ルゴサ」が完成した時には、大きな喜びを感じたことを今でも鮮明に覚えています。そして、うらほろスタイルの取り組みから生まれた、この商品を広げていくという覚悟を決め、販売会社を設立しました。
地域を愛する子ども達の純粋さ。そんな子ども達の想いに応えるために一生懸命取り組む地域の大人達。そんな姿を間近で体感してきたことは、新卒で浦幌町に移住し地域おこし協力隊としてこのプロジェクトに関わらせていただいた自分自身の、大きな学びに繋がっています。
この事業を通じて、将来の担い手である子ども達とともに、町の未来を作っていきたいと考えています。
株式会社ciokay 代表取締役 森 健太
(元浦幌町地域おこし協力隊)